東京とカナダのカルガリー市:まちづくりと文化の違い
こんにちは。東京在住カナダ出身のジェイリーンです。現在のアパートに引っ越してきてから、3年が経ちましたが、近所周辺には毎日新しい発見があります。
本記事では、その発見の背景にあるまちづくりや文化の違いについてお話します。
段違いな開発スピード
近所の再開発で建て替えが激しくて、新しい施設やお店が続々とオープンするせいか、毎日のように、「この辺の建物はどこに行った?!」というサプライズがあります。
カナダでは、建物の取り壊しやリニューアルの場合には必ず張り紙などで告知があり、取り壊されるまでしばらく時間がかかります。一方で、東京の近所周辺にはお知らせの張り紙など何も貼っていないまま、建物が一晩で取り壊されることが多いです。カナダ人の私にとって、東京の開発や工事は信じられない速さで行われます。
今まで一番恐ろしかった経験が、ある鉄道路線を利用するたびに立ち寄るスーパーへ行こうとしたとき、そのスーパーの内装はもう完全に解体されていた時のことです。一週間前にそのスーパーに行ったばっかりなのに、その時は閉店のお知らせや閉店寸前の前兆(段々減っている在庫など)すらありませんでした。大きなショックを受けました。
数か月後、それが店内リニューアルための解体工事だったと知りましたが、それすら発表しなかったことに驚いています。
スペース節約の有無
地元のカルガリー市は東京23区より面積が大きい(約825km2対約630km2)のに対して、東京23区の人口はカルガリーより約7倍も多い(カルガリー約150万人に対し、東京23区は約1000万人)です。
土地が広大なので、高層マンションを建てるより一戸建てを建てるのが一般的ですし、2階以上のショッピングモールは珍しいです。初めて東京を訪ねた母が「今日エスカレーターに乗った回数はこれまでの人生で乗った合計よりも多いかもしれない」とコメントをしたのも納得です。
カルガリーには交通機関(市バスと電車)が整備されていますが、都市が非常に広くて電車の路線は2本(東西と南北)しかないため、車での移動は生活に欠かせないものです。したがって、大きな駐車場も必要になってきます。でも、ダウンタウンでなければ地下駐車場より地上駐車場のほうが多いです。全然スペースを節約していませんね。
また、カルガリーの建物は東京と比べて比較的新しく、耐震化工事も必要ではないので、閉店してもただ新しい店舗が入るか、建物をしばらく廃墟にして別の場所で新しいものを建てるかという二択が多いです。完全な取り壊しはあまりないです。あるとしたら、より大きな規模です。例えば、ショッピングモールや工場を取り壊して住宅街に変更するなどです。
「ゾーニング」とは?
その取り壊しの少なさは、「ゾーニング」に関わってきます。ゾーニングとは、土地利用計画において、住宅地、商業地、工業地を区分けする地区制のことです。
地元では、住宅街と商店街は通常区分けされていて、その区分を変えるのに結構手間がかかります。例えば、ショッピングモールなどを取り壊して、高層マンションを建てることに当たって、その地区に住んでいる住民に再開発企画のお知らせを届けてから、公開ヒアリングを行う必要があります。そして、市議会議員がそのヒアリングを参考に、この計画は住民のニーズにあっているか、許可を降ろすべきか判断します。
その市議会の判断によって、次の動きが決まります。何も決まらずに放置することもあれば、建物を取り壊してから建設に関する議論がずっと続くこともあります。(母校の近くにあった工場が取り壊してから10年以上経っているのに、まだ空き地のままです…)このような背景もあり、東京の開発の速さに圧倒されています。
一方で、東京の区分けは地元と違うので、高層マンションや一戸建て(いわゆる住宅街)の間に、カフェ、本屋、スーパーなどのお店があるのは新鮮です。
東京に住む楽しさ
毎日同じ道を歩くと、次の通りには何があるのかわからないままでその周辺に住むことになってしまいます。少しルートを変えることで、「ここに新しいカフェができた?!」「昔ながらの銭湯はここにあった?!」などの驚きと新しい発見があります。そこにある小さなお店やカフェを営業している方々はどうやって誘客するのか心配するぐらいの穴場スポットも結構あります。でも、それはそれで東京ライフの楽しいところだと思います。
皆さんもどうぞ自分の近所を散策してみてくださいね。少しだけ観点を変えるだけで、新しい発見があるかもしれません。
