秩父夜祭ツアーに参加:アメリカのお祭りとの違い
こんにちは、アメリカ出身のシンシアです。12月の頭にクラブツーリズムが開催する秩父のガイドツアーに参加させていただきました!ツアーの名前は「西武旅するレストラン 52席の至福&秩父夜祭体験プレミアムツアー」で、池袋駅から秩父駅まで西部鉄道のレストラン列車でゆったりしながら秩父を目指すところからスタートしました。目指すは秩父夜祭です!
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出発:西武旅するレストラン
池袋駅で「西武旅するレストラン 52席の至福」の電車に乗車し、秩父への旅が始まりました。
車内ではレストランのようにテーブルが設置され、乗客の一人ひとりにメニューとコースターが用意されていました。まずはドリンクを注文し、列車は駅から出ました。大きな窓の外を眺めながら、ほかの乗客と楽しく会話できました。食事はコースで出て、秩父にちなんだものが多かったです。秩父では龍の伝説が多いため、様々なうなぎの料理がメインになっていました。うなぎバーガー、うまき、うなぎの燻製のほか、うな重も提供されました。
秩父に近づくと窓越しの風景はだんだん緑になっていきました。山と森の風景を堪能するため、列車は停止し、周りの緑に囲まれながら、食事を楽しみました。停止中には龍舞のパフォーマンスもあり、杉の丸太から作られた龍頭をかぶりながら、乗客をがぶりと祓っていきました。
パフォーマンスと食事が終わり、出発から約2時間後に秩父駅に到着しました。
秩父
秩父で団体で秩父夜祭の会場へ向かいました。夜祭は毎年12月1日から6日に開催される秩父神社のお祭りです。お祭りの見どころは提灯で飾られて、道路を行進する曳山です。
曳山は美しい鬼板や幕があり、非常に迫力があります。屋台の奥に囃子が乗り演奏しながら、前に囃子手が扇子や提灯を持ち、掛け声で盛り上がります。ツアーで一台の曳山の準備しているところを見学し、曳山を引く方から曳山とお祭りの詳しい話が聞けました。スタッフが用意していただいた羽織を着て、写真撮影もありました!
お祭りのことをいろいろ聞いた後、より詳しい歴史や情報などを秩父まつり会館でうかがいました。展示用の曳山やお祭りの資料と写真がいっぱいあって、一年間の行事のことを知ることができました。会館を回った後、すぐ近くの秩父神社に行きました。
秩父神社ではガイドによる神社の解説をいろいろ聞きながら回りました。秩父神社が誇る美しい彫刻の中には日光の東照宮の彫刻を作った職人、左甚五郎(ひだり じんごろう)のものもあります。そのため、東照宮と秩父神社の彫刻は非常に似ていて、共通しているモチーフもあります。東照宮で有名な三猿、「見ざる・言わざる・聞かざる」がある一方で、秩父神社には「よく見て・よく聞いて・よく話す」の三猿がいます。さらに、鎖で縛られている龍の彫刻もあり、ガイドの話によると昔の洪水があったときに龍の仕業だと思い、神社の彫刻に鎖をつけたという面白い話を聞けました。
最後に自由時間をいただき、おみくじを引きました。秩父神社のおみくじは神社内にある池に浸かって、文字が浮かび上がるので、面白かったです!
夜祭
秩父神社のあとは曳子体験でした。秩父神社のお祭りである秩父夜祭は12月の2日と3日が大祭で、たくさんの提灯で飾られている曳山が近所の方に町中で引かれます。祇園祭と高山祭と並ぶ秩父の夜祭は300年以上の歴史を持ち、華麗な彫刻と無数の提灯で飾られている曳山で全国的に非常に有名です。4台の曳山が町を周り、4台の中の1台は歌舞伎を上演します。毎年歌舞伎を担当する曳山は変わります。祭り中2台の曳山がすれ違う度に一時的に止まり、声援を送りあい、とても迫力のある、生き生きした雰囲気が楽しめます。1台の曳山にはたくさんの子どもたちが乗り、皆で声援に参加し、ちょっとなごめる、かわいい場面も見られました。
ツアーの内容として、曳山を実際に引く体験もありました。住民たちの隣で曳山の縄を手に取り、町中引いてみました。大勢の人と一緒に引いていたにも関わらず、引くのが結構ハードでした!でも、前にも曳山の祭りを訪れる機会があったとき、よく覚えていた印象は町内の皆で曳山を引くのがとても楽しそうで、私みたいな部外者が輪に入ることは難しいと思いました。なので、今回引く側になれて、とても楽しくて、貴重な経験になりました。
一方、アメリカのお祭りは・・・
アメリカでは日本と匹敵するようなお祭りはありません。文化と宗教が違うので、それは当たり前のことですが、少し似ているイベントもあります。曳山に一番近いのはアメリカのパレードかもしれません。各地ではローカルなパレードがありますが、毎年のサンクスギビング・デイ・パレードが一番有名で、全国に放送されます。そのなか、フロート車が行進しますが、曳山と違って引かれるのではなく、車のように運転されます。フロートの上では囃子などの伝統的な上演ではなく、パフォーマーが現代的な曲を歌ったり、踊ったりするのが多いです。そして一番の目玉は巨大なパレードバルーンです。人気キャラクターのバルーンがパレードを彩ります。スヌーピーなどのアメリカの大人気キャラもいれば、ピカチュウなど日本の人気キャラもいます!
サンクスギビング・デイ・パレードはニューヨーク市で行われるため、カリフォルニア暮らしの私は参加したことがありません。しかし、アメリカのパレードと日本の曳山祭りの大きな違いはその参加にあると思います。その場にいても、パレードに直接参加することはほとんどありません。観客はパレードを近くで眺めますが、フロート者に近づいたり、ダンスに入ったりすることはできません。そのため、日本のお祭りの皆さんの参加できるような、コミュニティで一緒に楽しめる親しい雰囲気はとても好きです!
夜祭の花火
その楽しみで溢れている夜祭をあとにし、花火の鑑賞に移す秩父のツアー。秩父では毎年夜祭の大祭の夜に約5000発の花火を打ち上げます。曳山体験のあと、ガイドさんに花火の見えるビルの屋上に案内され、温かい飲み物と毛布で温まりながら花火が始まるまで待ちました。花火が始まると、用意された椅子から心地よく花火を眺めました。最後のフィナーレにツアーのスタッフのカウントダウンで皆で打ち上げの号令を叫び、一日を楽しく終わりを迎えました。
秩父駅に戻り、ツアーは解散しました。電車までまだ時間があったので、駅回りに設置されていた屋台を散策しながら、お祭りの食べ物を満腹に食べました。
私にとって初めての秩父でした。とても緑の多い、美しい神社なども誇るところでした。いつかまた夜祭も訪れたいけど、それ以外のときにもハイキングなどし、もっともっと探索し、秩父を堪能したいと思います!