「ふだんどこで遊ぶの?」在留外国人の休日の過ごし方
東京に引っ越してきて、同年代(20代)の知り合いによく聞かれるのは「お休みの日はふだんどこら辺で遊ぶの?」という何気ない質問ですが、その答えには意外と困ることが多いです。
日本人の若者はいつも決まった場所で過ごしているのでしょうか?新宿や渋谷、吉祥寺等の人気スポットに集まることが多いと思いますが、本当にその決まった街に毎週通う感じの過ごし方は、逆に外国人の私にはあまり想像がつきません。もちろん、住んでいる街に関しては、買い物をして、お出かけして用事を済ませることが多いのですが、それは「遊び」とは言えないと思います。
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では、外国人にとって、「遊び」とは何でしょう?
まず、「遊ぶ」という言葉の概念自体は若干難しく感じることがあります。
日本語を勉強し始めた頃、母国であるポーランド語には同じ意味や使い方をする一語がなく、直訳の単語は「子どもがおもちゃで遊ぶ」という意味でしか使えないので、「友達と遊ぶ」といった広い意味の過ごし方に当てはまる言葉だと知り、正直不思議に感じました。多分、今でも、「遊ぶ」とは具体的に何をするのか、といった疑問が少し残っている気がします。
では、この記事で、「遊ぶ」という言葉はどういう意味で使われるのか、ということに関しては、とりあえず「好きなことをして、楽しく過ごす」、という仮の定義をさせていただきます。そうなると、友達とご飯に行くことは当然含まれますが、なによりも趣味の話になります。
海外ではどのように過ごしてきましたか?
ポーランド人が言うのもアレですが、ポーランドはとても綺麗な国だと思います。自然がとても豊かで、歴史的な街並みも本当に美しいです。
ただ、その分、日本みたいなゲームセンターやバッティングセンター、カラオケをはじめ、若者が気軽に遊べる施設はありません。映画館やボウリング場くらいはもちろんありますが、毎週映画館に行くわけでもなく、ショッピングモールで何かの買い物的な用事もなければ、外で友達と遊ぶ場が日本ほど多くあるわけではありません。しかも、珍しくゲームセンター(ゲームコーナーといった方が適切かも知れません)がボウリング場の近くにできたとしても、学生とかはそこまでお金を持っていないので、どちらかというとお金があまり必要ない過ごし方が好ましいです。
↑ クラクフの旧市街
↑ ポーランドの自然
趣味や日本語の勉強のようなアクティビティの話は一旦さておき、数人で過ごす場面を考えると、そこで登場するのはいわゆる「ホームパーティー」です。
もちろん、アメリカの映画によく描かれているような、広い屋敷で派手に騒ぐものではなく、都市のアパート(2~3部屋)くらいのところに、友達数人を招いて、一緒にゲームしたり、映画見たり、ピザやスナックを食べるくらいの「遊び」が一般的だと思います。そして、成人になったら、お酒も飲むこともありますが、騒いだり踊ったりすることは特にありません。
そして、飲酒を含めて、なぜ家で?と疑問に思う方もいるかと思いますが、居酒屋のようにゆっくり座って、お酒と料理を楽しめるお店もないので、やはり家で集まった方がお財布に優しいです。(レストランやバー、といった選択肢は当然ありますが、レストランになるとお酒はかなり高くなりますし、バーもうるさいところが多く、逆に料理があまり出ないので、家でピザ等の出前の方がより効率的になります。)
日本に引っ越してから休日の過ごし方がかなり変わりました
こうして過去の遊び方について考えてみると、やはりインドアがどうしても多かった気がします。特に私の場合だとホラー映画が大好きなので、友達と集まる時も女子会のお泊りでもホラーを見ることが多かった気がします。
そして、アウトドアの場合は、自転車でのお出かけといった感じの過ごし方があったものの、その頻度は決して高くなかったです。気が向いたときはプールやアイススケート等のエピソードもありましたが、本当に毎週決まった過ごし方は特になかったと思います。
では、日本に引っ越してきてからは何が変わったでしょうか。
ここに住んでいてもゲームセンターに行くことがほとんどないので、学生としての遊びに関しては多く語れませんが、社会人の私にとって変わったことがあるとしたら、それはおそらく交通機関の便利さだと思います。
ポーランドはなんと言っても車社会なので、車がなければ、バス等の交通機関だけでは行きにくい場所がたくさんあります。そして、日本でもバスで通勤・通学している方は分かると思うのですが、雨や雪の日、時間通りに来ないバスを待つのが辛い時もあり、より積極的にお出かけする気がなかなかわいてきません。(少なくとも私はよくそのように感じていました。)
しかし、それと比べると、日本では電車等の交通機関が非常に便利で、毎日でなければ、休日に1時間以上の移動は全く苦痛には感じません。その上、電車であればほとんど時間通りに走っていますし、Google mapsなどで非常に調べやすいので、初めての場所でも迷わずに行けます。
↑ 始発の電車
休日はふだんどこら辺で遊ぶ?
結論から言いますと、決まった場所は特にありません。休日はやはりのんびり過ごしたいと思うことは多いですし、貴重な時間を自分の好きなことや趣味に使いたいので、住んでいる街以外は、同じ場所を何度も訪れることはあまりありません。もちろん、友達に誘われたら、話は別ですが。
一番の趣味はカメラなので、写真を撮りに行くのが好きな過ごし方です。そのため、撮影スポットを探しに出かけることが多いです。そうなると、いつも同じところを歩き回るよりも、むしろ毎回違う場所を調べて、冒険の気分で様々なスポットを訪れることがふだんの過ごし方になりました。
さて、肝心なスポットの選び方ですが、実は何より大事にしているのは季節なんです。
ポーランドも四季がある国なので、その点では慣れているとも言えますが、日本では季節限定メニュー等がありまして、楽しみ方がより多い気がします。写真に関しても、時間の流れの中での戻ることのない一瞬をそのままつかむことができます。その季節できれいな場所を探して、写真を撮りに行くのが楽しく感じます。
春なら梅や桜、その後は藤の花、バラ、夏は海や山の景色、秋は紅葉、そして、冬はイルミネーション等、一つのキーワードでネット検索や地図アプリでの検索を行います。その後はアクセスも軽く調べて、1時間半ぐらいで簡単に行ける場所であれば、天気のいい日にそのままカメラを持っていくことが多いです。特に満開の花を取りたい時は2週間ぐらいに期間が限定されます。休日でいうと4日しかないので、行動力が非常に重要になってきます。そのおかげで、「フットワークが軽い」と言われることも少なくはないですね。
東京周辺おすすめスポット:
↑ スカイツリー真下の梅&イルミネーションのコラボ
↑ 浅草・隅田公園の桜
↑ 梅と藤の花が綺麗な亀戸天神社
↑ 花より団子、ではなくて、アイス!京成バラ園でなによりおすすめなのは「バラのソフトクリーム」です。
↑ 梅雨の時期でも綺麗な本土寺
↑ 神秘的な鎌倉のアジサイ;明月院
↑ 江の島の海
↑ 意外とすぐ行けちゃう逗子の海辺
↑ 奥多摩でのちょっとした穴場スポット。特に山の日におすすめです。
↑ 夏終わりの彼岸花;やちよの彼岸花(村上緑地公園)
↑ 紅葉の季節。日光の霧降の滝
↑ 思わぬ光景に出会える昭和記念公園
↑ よみうりランドのイルミネーション
最後に一言を加えてさせていただきますと、住んでいる国によって、距離に関する考え方が異なることが多い様です。私にとって、徒歩20分は近く感じますが、そうでない在留外国人も当然います。ただ、日本に住んでいる以上、できるだけ多くのところを自分の目で見たくて、母国で過ごすよりも積極的になることが多いと思います。
ですので、もしそのような機会があれば、知り合いの外国人を是非遠出という冒険に誘ってみてください。