日本の自然染との出会い
高校時代に手芸やものづくりが好きになり、自然染も気になりました。自分で植物を植えてみましたが、全部が枯れてしまいました。その後、勉強やバイトで忙しくなり、しばらくの間、自然染めのことを考えませんでした。
大学に入ってからまた自然染めに興味を持つようになり、特に合成染料が発明される前に布などは植物、虫、鉱物だけで染められたと考えたら本当にすごいと思いました。手芸屋さんで自然染めの材料を見たときに西洋あかね、インド藍の粉、コチニールなどがありましたが、来日することが決まっていて、何も試さず来日しました。
大昔から世界中で藍染が知られているので、日本の藍染は特に興味を持ちました。最も古いインディゴの使用例はペルーで発見された6000年前の綿織物です。シルクロードを経由して欧米に運ばれた藍色は王侯貴族の贅沢品でした。母国ではインドの藍の方が知られています。実は、世界的に「藍」というのはかなり複雑な歴史を持っています。米国において藍は奴隷制度との繋がりが強かったのと、イギリスがインドを占領していた時に植民地主義者たちが現地民に藍の栽培を強要したという歴史も持っています。なので、海外の藍のイメージと歴史はかなり日本と異なるかと思います。
日本でも藍染は長い歴史を持ち、当初は、トウダイクサ科(Euphorbiaceae)の山藍は藍の代表格でしたが、現在では、インド洋から6世紀頃に伝来したタデ藍(Persicaria tinctoria)が多く栽培されているそうです。最近、自然染と布の歴史がかなり気になっていますので、 The Golden Thread How Fabric Changed Historyという本を読んでいます。興味深い本ですが、日本語版はなさそうです。
そして東京在住の方にEnnesteという店を紹介します。西荻窪で自然染めの糸の販売、手毬作りワークショップ、自然染ワークショップをされています。様々な材料で染めた糸を販売しています。糸は刺繍、手毬、刺し子、なんでも使用可能な綺麗な糸です。そしてEnnesteは手遊びや手芸を通じてどなたでも参加できるコミュニティーを作っています。
徳島県上板町に藍の栽培、蒅作り、染色やデザインをしているBUAISOUが2015年に立ち上がりました。また、魅力的な美術作品も様々な場所で展示されています。2年前に徳島に訪ねたときに刺し子の糸を購入しました。美しい発色で、強い糸です!大切に使いたくて、2年ほど前に購入したので、そろそろ使って、何か作らないともったいないですね。また徳島に行く機会があればBUAISOUに行ってみたいです。
一昨年から今までに色々な材料で布を染めてみました。西洋あかね、玉ねぎの皮やログウッドを試したことがありますが、日本でしか見たことがない材料を使ってみたいと思います。以上、この記事では私の実験について書きました。次回は、自宅で自然染めをやっていきたいと思います。