外国人からみる日本の「紅葉狩り」の不思議
日本には四季があり、春・夏・秋・冬それぞれに独特の風情があります。春の桜、夏のあじさい、秋の紅葉、冬の梅など、季節を代表する花々が存在しています。
特に「お花見」は、日本の文化の中で重要な位置を占めており、人々の生活に深く根付いています。暑い夏が終わって日が短くなり、秋風が吹き始めると、過ごしやすい秋が訪れます。この時期は、農作物の収穫が最も豊富であることから、「実りの秋」や「収穫の秋」と呼ばれるようになりました。
そして、秋の一大イベントが「紅葉狩り」です。
Table of Contents
なぜ「紅葉見」と呼ばないのか?
ここで疑問が生じます。なぜ、桜は『花見』なのに、紅葉は『紅葉狩り』なのか?
中国出身の私が、同じ漢字圏の文化でありながら、この違いはまったく理解できませんでした。「狩り」という言葉は本来、獣を捕まえることを指しますが、紅葉を見る行為は果物や動物を狩るわけではありません。
いろいろ調べたところ、この違いには二つの説があります。
一つ目は、平安時代に遡ります。当時、狩猟をしない貴族たちが美しい紅葉を楽しむために山々を巡るようになり、その様子が狩りに似ていることから「紅葉狩り」と呼ばれるようになったという説です。
もう一つの説は、長野県の戸隠山に住んでいた「紅葉」という鬼女の伝説が元になったというものです。彼女は村の人々を餌食にしていたため、当時の帝が平維茂に鬼退治を命じ、神剣で鬼女を退治したという物語です。この伝説にちなんで、戸隠山では今でも「鬼女紅葉祭り」という行事が続いています。
なるほどです!紅葉狩りは自然を楽しむだけでなく、歴史や伝説とも深く結びついていたからですね。
なぜ紅葉を予測するの?
日本では秋になると紅葉の「見頃予測」を見ることは日常化していますが、外国人の私には不思議に思います。天気予報と同じように気にかける人が多かったため、生まれたサービスなのでしょうね。
見頃予測は、桜の花見と同様に、紅葉の進行具合やピーク期を予測するものです。桜は南から咲き始めるのに対し、紅葉は北から始まります。9月から12月にかけて、北海道から始まり、東北、関東、中部、九州など、紅葉が南下していく様子を楽しむことができます。人々が「見頃予測」を目安にし、山や湖、お寺など、様々な場所で赤く染まった景色を追いかけ、自然を堪能しています。
私のおすすめの紅葉地
この秋、紅葉狩りに秋田県仙北市を訪れました。
実は、私が所属しているエクスポートジャパン株式会社は、インバウンド誘客の一環として、秋田県仙北市を多言語でPRしています。英語、中国語簡体字、繁体字、タイ語、フランス語圏向けにSNSで発信しています。
仙北市には「日本一深い湖」として知られる田沢湖や、「みちのくの小京都」と称される角館、秘湯の乳頭温泉郷など、見どころがたくさんあります。交通面でも、東京から新幹線でわずか3時間と非常に便利です。しかし、欧米圏または中国本土において知名度はまだまだで、日本在住20年間の私も初めてでした。
おすすめ紅葉狩りルート
その1 東京から田沢湖
駅前からレンタカー ⇒ 山のはちみつ屋 ⇒ 田沢湖共栄パレス ⇒ 飲水思源像 ⇒ 田沢湖クニマス未来館 ⇒ 辰子像 ⇒ 御座石神社
その2 田沢湖から角館
抱返り渓谷 ⇒ 武家屋敷めぐり ⇒ 安藤醸造
凛々しい武家屋敷
170年あまり伝統醸造を守りつづける安藤醸造
まとめ
紅葉狩りは、視覚的な美しさだけでなく、その地域の風土や文化を体験する素晴らしいきっかけの一つだと感じました。色とりどりの紅葉のほか、地元の食文化や伝統行事、自然の中でのアクティビティを通じて、より深い体験が得られます。中国では深度遊と呼ばれています。
この秋、すっかり仙北市の魅力に心を打たれました。広々としたフィールドと豊かな自然、地元の食材を使った美味しい料理、ゆったりとした宿泊環境、そして伝統文化体験に大変満足しました。美しい原生風景、各季節に開催される特別なイベントなど、何度訪れても新たな発見がありそうです。あなたのおすすめ紅葉スポットはどこですか?
関連URL
醬油蔵見学:安藤醸造
元祖比内地鶏親子丼:お食事処 桜の里
なつかしの味:あきたプリン亭
モンブランスイーツの店:レガールリッツ