「ちっとも意識してなかった!」アメリカ人なりに年賀状を送ってはいたけれど。今年発見した年賀状のある側面
こんにちは、アメリカ出身のブリタニーです。今年は、年賀状を送りましたでしょうか?この度、この風習についての私の経験を少しお話させていただきます。
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初めての年賀状
初めて年賀状を受け取ったのは2007年の亥年でした。私の家族は前年に日本から草の根交流のゲストを数日間受け入れたことがあり、彼女がアメリカにいる私たちに年賀状を送ってくれたのです。その小さなイノシシの絵が、見慣れたクリスマスカードとは一風変わっていたので興味を惹かれました。
年賀状と同じように、クリスマスカードも家族や子どもたちの近況を伝えたり、写真を送る機会として使うことが多く、企業も宗教的な 「メリークリスマス 」ではなく、「ハッピーホリデー ズ」を願う季節の挨拶として送ることが多いです。年賀状と同様、これらのカードはエレガントなものから派手なものまで様々で、多くの人がパソコンや専用ウェブサイトで同じものを全員に送りますが、パーソナライズするのに時間がかかることもあります。あまりにも手間がかかるから、全く送らない人も結構います。その面では、クリスマスカードやホリデーカードは年賀状と似ています。
しかし、大きな違いは、年賀状は礼儀作法の決まりが多いことです。間違えるのは怖いから、全体的に書き方の確認をしながら用意するのでなおさら手間だと感じます。長くこの風習を続けてきましたが、今年も衝撃的な発見がありました。
年賀状を作り始めたのは日本で働き始めてからでしたが、礼儀作法に惑わされたくなかったので、風習にインスピレーションを得て自分なりにアレンジしました。
当時、私は島根での生活をテーマにしたブログを書いていて、英語圏の読者に日本文化や風習を紹介する記事や、出雲地方の神話を題材にした漫画を描いていました。そのブログのために年賀状のイラストを描いたのですが、実は2013年の巳年に先駆けて、ヤマタノオロチ退治について描くことを告知するためのものでした。挨拶というより、ブログの宣伝に過ぎませんでした(残念ながら、島根を離れてからはそのブログの管理を終了しました)。
日本の風習を自分の風習に
しかし、島根に住んでいる間、友人から年賀状をもらっていたので、後年、恩返しをしないと申し訳ないと思ったのです。せっかく用意していたので、ホリデーカードの代わりに、海外の友人と親戚ももらえるとうれしいだろうと思って、その分も用意し始めました。誰を除外するかすぐ決めるのがむずかしくて、今では毎年30枚以上送っています。自分のプリンターを信用しませんから、住所などは全部確認しながら手書きします。それでも、書き間違いや微妙にフォーマットに合わない結果が多く発生します。
数年ぶりに日本に戻ったとき、毎年素敵なイラストを描く習慣をつけたいと思いました。最初に試みた時は私の字は下手でしたが、その出来栄えにはむしろ満足していました。礼儀作法で犯したかもしれないミスを、原画が補ってくれたと思いました。自分の作品なので、SNSに投稿することも簡単で、コンビニの専門サービスを通してプリントして送らなかった人たちとも共有することができました。
でも、翌年描いた牛の絵にはあまり力を入れなかったし、虎の絵はむずかしいからそもそも描こうともしなかったし、ウサギの絵は簡単で楽しいはずなのに、既成のカードを買ってしまいました。
今年こそはカッコいい辰のイラストで見せつけたかったのですが、あまりにもだらけていたので、危うく年賀状を作らずに年を越してしまうところでした。しかし、島根にいたころの茶道や着付けの先生たちが、今でも年賀状を送ってくれるのです。一度だけ正式な暑中見舞いを送ろうとしたことがあるのですが、正確に書こうとするとストレスがたまるので、それ以来送っていません。
年賀状ぐらい送らないと、と思い立って、ネットで見つけた適当なイラストを40枚注文し、宛名を書き始めました。しかしそれではあまりに冷たい気がしたので、イラスト側に小さな手書きのメッセージや挿絵を加え、すべての工程に何時間もかかりました。
↑ 中国人の友だちへ、中国語の勉強を怠けていることを報告する落書き
間違いを犯すのが怖くて、古い年賀状に書かれているフレーズを参照したり、ネットを見て書き方をチェックしたりするのに多くの時間を費やしました。間違ってもある程度は許されると思ってはいるのですが…たとえ年賀状が多少ずさんでも、何も送らないよりは何か送った方がいいでしょう。悩みの原因の一部は、日本のエチケットの複雑さによるものですが、大部分は私自身の性格によるものでしょう。
見逃していた、年賀状のもう一つの側面
時間だけでなく、お金も想像した以上にかかります。海外に送るケースも多くて、郵便料金がすぐ高くなります。「親戚はなんでこんなに多いの?」と思うぐらいです。でも、紙ベースの挨拶を送らないと用意した意味がなくなるから、郵便局に切手を買いに行きました。「国内の郵便切手は年賀状のためです」と言うと、郵便局員は私に、辰のイラストの63円のシールと、84円ののり式切手の選択肢を出しました。
できるだけコストを抑えたいのですが、「何が違いますか?」と聞いてみました。
「こちらは、お年玉付きです」と郵便局員が答えました。
目から鱗が落ちました。お年玉のくじが存在することすら、今までちっとも意識しませんでした。
住所や挨拶の正しい書き方しか気にしていなかった私は、相手がもしかしてもっと楽しみにしていただろうことに気づいていませんでした!
今まで送った何十枚かの年賀状に、くじの番号がほとんど付いていなかったのです!海外へのはがきはそれで大丈夫ですが、今まで日本住まいの先生や友達からいただいた年賀状はたしかに、ほとんど番号が付いていました。なんというミス!
今まで、その番号を付けずに送ってしまったことを相手はどう思ったでしょう?今までいただた年賀状のうち、賞品に当たっていたものも、もしかしてありました!?
来年も、新しい文化の発見が待っているでしょう。