在留欧米人から見た四国の魅力:香川県
旅行先として四国に魅力を感じた理由については「在留欧米人から見た四国の魅力:愛媛県」の記事で詳しく語っているので、四国に対する欧米人の思いについて知りたい方は是非そちらをチェックしてください。
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なぜ香川県に興味が湧いたのでしょうか?
日本人と話していて香川県の話になると、基本的に「うどんのイメージしかありません」と言われることが多いのですが、私にはそのようなイメージはそもそもありませんでした。
やはり料理を目的に旅行先を決めることは滅多にないので、最初に調べるのは観光スポット、特に写真を撮りたいスポットと、交通情報です。その観点からは、香川県内で電車での移動が可能であることにはかなり安心しました。そして、島々が多く、車がなくてもフェリーで簡単に回れると知って、それがとても非日常体験になると思いました。気軽にフェリーに乗れることは旅行先を選ぶ際にもっとも大きなポイントとなり、魅力を感じたところでもあります。
最初はそれぞれの島に何があるかも分からず、アートで有名であることも知りませんでしたが、フェリーがあり、観光客向けの設備が整っていれば、あとはもうゆっくり調べて、見たい・写真を撮りたいものを自分の趣味に合わせて選べば、満足できるという確信がありました。
ちなみに、車をレンタルしない理由はなんでしょうか?と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
まず、背景から話しますと、母国では運転免許を持っています。ただ、ポーランド人なので、右側通行になります。また、日本で運転するためには、国際免許という書類が必要になりまして、それを取得しない限り(または日本の運転免許を取得しない限り)、日本での運転は不可となります。左側通行に対して不安を感じてしまう部分があり、1人旅行も多いので、なにか事故やトラブルがありましたら大変なことになり得るため、できるだけ車無しの旅行を楽しんでいきたいと思っているのは正直なところです。(せっかくのお休みなので、旅行先でのストレスをなるべく避けたいですね。)
1. 直島
香川県に行く前、直島がアートの島として有名であることは知りませんでした。最初ネットで見たのはかぼちゃのオブジェが写っている写真だったのですが、それを含めて写真スポットがいくつかあると信じて、そちらに行くことにしました。
まず、赤かぼちゃと黄かぼちゃの場所を調べて、その2か所を中心に他の写真スポットを調べ始めました。そこで初めて「家プロジェクト」について知り、かなりきれいな写真が撮れるのではないか、という期待が湧いてきました。アート自体にももちろん興味があるのですが、それが一か所だけでなく、島の色んなところにあったほうが、時間をかけて回れますし、同時に周りの雰囲気やそこにあるお店も楽しめる機会となります。数時間だけでなく、丸一日をそちらで過ごして、直島を満喫できます。
また、「家プロジェクト」の中で最も印象に残ったのは、「はいしゃ」、「石橋」や「角屋」でしたが、どのインスタレーションも普段見られない光景ばっかりで、その写真を撮ることで更に新たなアートが生まれるのではないか、という楽しみ方が少なくとも私にはありました。
※「家プロジェクト」:古民家が現代アーティストによって改装され、家空間そのものが作品化(インスタレーション)した建築のこと。
↑黄カボチャ:南瓜
2. 小豆島
小豆島にある「エンジェルロード」は香川県旅行の最も重要な目的地で、どうしても天気の良い日にそちらを訪れたいと思っていました。そのため、他の予定はこちらに合わせて立てていました。
調べてみたら、恋人の聖地だと呼ばれている場所になりますが、なぜ1人旅行でそこまで興味があったのでしょう?結論から言いますと、まるでポストカードに写っているような海の景色を自分の目で見たかったからです。その場にいて、ネットで見た写真を再現したかったです。つまり、やはり写真映えが私にとって最も重要なアピールポイントとなりました。しかし、小豆島まで行けば、一か所を回ってそれで終わらせるのはもったいないので、オリーブ公園にも行くことにしました。
非常にフォトジェニックなロケーションではありますが、景色は日本よりもギリシャの風景に近いため、実際ギリシャに行ったことある者としては日本の自然ほど魅力的であるとは言えないのですが、それでも十分行く価値のある場所だと感じました。そこで撮影されたという、ジブリ作品の『魔女の宅急便』の実写版は見たことありませんが、アニメーションなら見たことありますし、赤いリボンを付けた女の子や、黒猫など、かわいいイメージはもともとあったので、その世界観が味わえる場所としてオリーブ公園は確かに楽しめると思いました。それに、その中にはカフェや植物の販売も行われていました。もし住んでいる東京までの移動が飛行機ではなく、電車でしたら、きっとお花も買っていたと思います。
そこで現地の製品、お土産選びで重視しているところについて言いますと、飛行機にも持っていけるものかどうか、という観点で選ぶことが多く、やはり重いものや壊れやすいものは基本的に避けています。そのため、植物等は買えなくても、花びらが入ったアクセサリーやオリーブオイル入りの化粧品、おかしなど、簡単に運べるお土産の種類が豊富だとうれしいです。
3. 男木島・女木島
フェリーに乗って、1日で回れる男木島と女木島ですが、こちらもアートがある島となります。しかし、それよりも日本らしい風景が楽しめるスポットでもあり、その組み合わせに魅力を感じました。
まず、女木島ですが、その別名は「鬼ヶ島」、つまり桃太郎が鬼退治に向かった島だと言われているそうです。それだけで日本文化の重要な一部を象徴しているロケーションとなりますが、鬼が住んでいると言われている女木島大洞窟があり、天気と関係なく楽しめるスポットです。日本の鬼はかなり独特な存在なので、その大きな像が見られるのはとても貴重だったと思います。
↑男木島:カモメの駐車場
そして、男木島の場合、もっとも行きたかったのは豊玉姫神社でした。かなり高めの階段を登らないといけないところにありますが、階段の上には鳥居もあり、そこからの眺めがとてもきれいで、必ず写真を撮りたいスポットでした。
そして、ボーナスみたいなお話になりますが、その周辺には猫が多くて、その中で触らせてくれる子もいたので、そのような触れ合いの機会はとてもうれしかったです。猫に限らず動物が本当に好きなので、いるだけでテンション上がりますが、さらに触れ合いもできれば、それより幸せなことがないでしょう、と言っても過言ではありません。
また、男木島で回れるスポットの話に戻りますと、展望台や男木島灯台もあるので、お散歩しながらゆっくり楽しめる場所です。
4. 雨の日には宇多津町のゴールドタワー
香川県に旅行の計画を立てる時、元々は数泊の滞在を予定していて、滞在中に雨の日もあるかもしれない、ということは最初から想定していました。そのため、島以外にも電車で行ける室内のスポットも念のため調べておきました。
雨の日にショッピングやグルメを選ぶ人もいるかと思いますが、個人的にはやっぱり思い出と写真に残る場所を重視しているため、天空のアクアリウム「ソラキン」の画像をネットで見たら、行き先はすぐに決まりました。確かに、駅から雨の中を歩くと少し遠く感じましたが、金魚・鏡・ミラーボールのインスタレーション等の写真がうまく撮れたので、それで短い旅行を一日も無駄にせず済んで、天気と関係なく楽しかったです。
知名度の高い場所であれば、英語でも情報が多いのですが、そうでないと一般の観光スポットのみが掲載されていて、雨の日の過ごし方の情報が日本語にしかない場合が多いです。しかし、旅行先で滞在期間を延期することも、変更することも普段できません。そのため、各季節の情報、そして雨の日のおすすめな過ごし方についても、記事等が掲載されていると参考になる人も多くいると思います。
まとめ
一言でまとめますと、香川県の旅行は想像以上に良かったです。
観光にあまりに夢中になり、フェリーの最後の便をうっかり逃してしまえば島で一晩を過ごすことになる等の少しばかりの不便な点もありましたが、滞在していた高松も、全ての島々もとてもきれいで、短所より長所の方が多い印象を受けました。また、個人的にはグルメを求めて旅をすることは基本的にありませんが、うどんのような名物があると、食べたいものに迷ったら真っ先にそれを食べに行くでしょう。「せっかくだから」という考え方は日本人と同じだからです。
香川県のリピーターになるかはまだ分かりませんが、数年が経てば、見てきたアートがどのように変わってきたかは気になりますし、訪れていないスポットもまだ残っていると思いますので、いつかはまた高松市と周りの島々に戻りたいと思っています。