牛乳が飲めない日本在住ポーランド人のお悩み
牛乳が飲めないのは、食物アレルギーですか?と聞かれることも少なくありませんが、身体がアレルギー反応を起こすのではなく、牛乳に含まれている乳糖がうまく消化・分解できないため、多少飲んでしまうだけで、お腹を壊し、ひどい腹痛に襲われてしまいます。
そのため、飲んでしまったとしても命には別状はないのですが、痛みを伴うので、苦しい思いであることには間違いありません。そこで、牛乳やヨーグルト等の乳製品を避けていれば大丈夫なはずなのですが、最も困ることは何かと言いますと、やはりコーヒーです。
ヨーロッパでは大人になったらブラックを飲むといった概念はとくにないので、自分の好みに合わせてフラットホワイト・カフェオレやカフェラテを飲むことが一番多いのですが、牛乳以外のオプションがないと外・お店ではなかなか飲めません。
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牛乳の代わりになるもの
多くの場合、身体が乳糖を分解できなくなるのは大人になってからなので、子どもの頃はいっぱい飲んでもまったく問題なかった、という話を耳にすることが多いのですが、私の場合それは生まれつきの問題でした。そのため、昔から様々な「代わりの食品」を飲んできて、牛乳以外の白い液体にもかなり慣れてきました。
まず、ポーランドで豆乳等が買えるようになる前はヤギのミルクを何回か飲んでみたことがあるのですが、こちらはやはり油が多く、癖も強かったのでこちらのオプションは割と早い段階で捨てました。その後は豆乳はもうほとんど問題なく買えるようになったので、朝ご飯のシリアル等にも毎日のように使うようになりました。ただし!
ヨーロッパの豆乳の味は日本のものとは全く違います。やはり豆腐等を食べる文化がないため、豆乳の味がなるべく牛乳に近いものとして作られていて、臭みとかも全くないのでコーヒーに入れても普通においしく飲めます。そのため、日本に引っ越してきた時初めて豆乳を買って飲んでみたら、その味にはかなり驚いてしまいました。今はかなり避けています。
他にも、アーモンドミルク等を試し、ミューズリーなどにはとても味が合っているものの、コーヒーだけは残念でした。(ちなみに、スターバックスのアーモンドミルクはとてもおいしいので、そのブランドをのぞこうとしたことがありますが、こちらは独自のブランドが使われていて、スーパーでは買えないもののようです。)
そして、話はかなり追い込まれた状況である現在に至りますが、とりあえずオーツミルク(砂糖不使用)の一択となりました。
理想と言えば、やはり「ラクトースフリー」
まず、「ラクトース」というのは、「乳糖」になりますので、特定の人の身体が分解できない部分になります。
そして、「ラクトースフリー」はそれをなくした、厳密にいうと科学的なプロセスにより乳糖が分解されたものを意味しています。お味は通常の牛乳よりは多少甘く感じますが、それ以外の違いはあまりないので、牛乳以外にもヨーグルトやチーズ、多くの乳製品が「ラクトースフリー」として販売されています。
個人的にもそれが一番おいしく感じられる選択肢となり、長年食べることを諦めていたヨーグルト等を再び楽しむことができて、大変ありがたいものです。料理等に関しても、好きなチーズなども、カロリー以外、気にせずに楽しめます。その種類もゴーダやチェダーをはじめ、とても豊富なので、本当に便利なんです。
↑コーヒーだけでなく、抹茶ラテをはじめ、様々な飲み物に合うように求められるのがやはり強い癖や臭みのない、なめらかなミルクです
ヨーロッパのスタンダード:「ラクトースフリー」&植物性ミルク
前述のように、ヨーロッパの場合、「ラクトースフリー」の食品はどのスーパーでも気軽に買えますし、メーカーも多いため、現在は一般の乳製品と変わらない金額で販売されています。
一方で、日本のスーパーでも豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクやその製品は買えますが、ヨーロッパと比べて、少なめです。とはいえ、家でコーヒーを淹れる分にはそれで十分なのですが、カフェ巡り等、外でオシャレに飲みたい場合は、やはりまだまだ困ってしまいます。
現時点では、大手のチェーン店、スターバックスやドトールコーヒー、コメダ珈琲等に関しては、ミルク変更できるか、そもそもソイラテが最初からメニューに入っている場合が増えているのですが、それ以外のお店、特に小さなコーヒーショップに関しましてはまだまだ一般的な対応ではないため、ミルク変更等のオプションはほとんどありません。
健康的な理由で糖質を避けている方は、甘味料等のいわゆる「マイ砂糖」を持参することが多いようですが、さすがにミルクの持参は難しいと思いますので、日本でも「ラクトースフリー」や植物性ミルクは新スタンダードになることを心から願っています。
そして、インバウンドが回復した今、ベジタリアンやビーガンの食品と同様に需要があると思いますが、いまだに流行ってないのは不思議で仕方ありません。将来的には日本でのカフェ巡りを自由に楽しめる日が来ることを楽しみに待っています。
↑オシャレなカフェのほとんどがチェーン店ではないため、ミルクが変更できないと注文できるものがはなり制限されてしまい、自由に楽しめなくなります。
↑ポーランドの場合、公園内の「Teahouse – Herbaciarnia Daisy」でもミルクが自由に選べます