イギリス人が詳しく紹介! イギリスでのクリスマス
今回の記事では、イギリス人の私が、イギリス人のクリスマスの過ごし方を詳しく紹介していこうと思います。
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イギリスのクリスマス、一般的な過ごし方は?
クリスマスは家族と一緒に過ごします。例えば、祖父母がうちに来て、母親が前もって準備していた食事を一緒に食べます。そして、プレゼント交換をしたり、映画を観たり、色々な話をしたり、ゲームをしたりします。
基本的に、イギリスでのクリスマスとお正月は日本と真逆だと考えても大丈夫です。クリスマスは家族と、お正月は友達と。クリスマスは長く、お正月は短い。クリスマスにはおいしいものをたくさん食べてごろごろする、お正月には…特に何も…。なので、完全に真逆です。
町と家での飾りとクリスマスの準備
11月中に各町や市でクリスマスのイルミネーションがつけられます。結構大きなイベントです。また、色々な市では、クリスマスフェア(クリスマスマーケット)が開催されます。
私の故郷のWorcester市(ウスター市)では、「Victorian Christmas Fayre(ビクトリア朝のクリスマスフェア)」が毎年11月の最後の木曜日から日曜日まで開催されます。道にたくさんの屋台を出して、屋台主たちがビクトリア朝の服装で伝統的なお菓子、玩具などを販売します。私は15歳からVictorian Fayreをバイトで働きましたので、友達と屋台を回ることができませんでしたが、それでも非常に楽しかったです。
家でのクリスマス飾りは伝統からすると待降節に始めます(11月の最後の日曜日になります)。子どものころ、母親と父親がクリスマス飾りの箱をロフトから出した時のわくわく感は未だに覚えています。
また、11月の頭ぐらいから、プレゼントの買い物とカードの執筆を始めます。日本に滞在している間に一つだけ判明したのは、イギリス人はカードをもらうのが好きだということです。
私事で恐縮ですが、毎年誕生日、記念日とクリスマスに、日本人の夫にいつも「プレゼントはいらないけど、カードを書いてほしい」とお願いしていますが、彼は未だにそれを理解できないです。物は壊れたりするけど、思いやりのある言葉を心の中でいつまでも大切にできると説明したら、「それは知らないけど、ものが壊れたら次のクリスマスにまた買えばいいんじゃない?」と。まぁ、一理あり。
比較点
日本では、年賀状を親戚、友達、同僚、顧客等に送りますね。イギリスでは、基本的に「年賀状」はありません。しかし、クリスマスカードの挨拶として、「ハッピークリスマスとあけましておめでとう!」をセットで書くことが多いです!なので、クリスマスカードは年賀状替わりとなっていますね。
クリスマスイブ、クリスマス当日とボクシング・デー
クリスマスイブ (Christmas Eve) 24日
クリスマスイブは、カトリック教等の方なら教会でミッドナイトミサに行ったりしますが、そうでない人たちはよく家族で映画を見ます。
昔は21日~25日の朝まで、クリスマスキャロルを歌いながらドアからドアへと行く合唱隊がいましたが、最近ではあまり見かけないらしいです。そして、夜になると子どもは、「ちゃんと寝ないとファーザークリスマス(サンタさん)が来ないよ!」と親に注意されます。
豆知識
イギリスでは、サンタさんをFather Christmasと呼ぶことが多いです。理由はちょっと複雑です。しかし、若者等は「サンタ」や「サンタクロース」と言いますので、どちらでもOKです。また、イギリスでは、Father Christmasにブランディとミンチパイを、そしてトナカイにはニンジンを外に置いておきます。
クリスマス当日 (Christmas Day) 25日
子どもは朝早く起きて、下の階へ走って、キラキラするクリスマスツリーの下にあるプレゼントをわくわくしながら確認します。でも、全員が集まるまでは開けてはなりません。親と兄弟(とペット)が集まったら、紅茶を飲みながら「ハッピークリスマス!」と挨拶してからプレゼントを開けます。
豆知識
「メリークリスマス」は米国っぽくて、イギリスでは「ハッピークリスマス」のほうが使われているような気がします。理由としては、「メリー」は「酔っ払い」というニュアンスがあり、クリスマスにふさわしくないと思われたかららしいです。個人的に、「ハッピー」のほうが良いですが、皆さんはどうですか?
プレゼントについて
日本では、プレゼントをサンタさんから1個、パパとママから1個ずつとか、それが一般的だと思いますが、イギリスでは、色々なプレゼントをもらいます。
小さくても、安くても大丈夫だから、とにかくラッピングを破ってプレゼントをもらうのを楽しみます。犬や猫にもプレゼントをあげる家族も多いと思います。大人たちも、プレゼント交換します!子どもたちが13歳ぐらいになると、何をあげればいいのかがわからない叔父母や祖父母はお金をカードに入れたりします。
もらって嬉しいプレゼントは、ドレッシングガウン、スリッパソックス、靴下、マフラー、香水、ジュエリー、腕時計、スマホや新型ゲーム機、このようなものが一般的に好まれていると思います。(個人的には、新しい、温かいドレッシングガウンが一番うれしかったです!)それから、12時頃に親戚が家に到着したら、皆で食事をします。
イギリスのクリスマスの食べ物と飲み物は?
クリスマスが好きな一番の理由は間違いなく食べ物だと思います。
イギリスは食べ物がまずいというひどい噂が広がっていますね。また、イギリスの有名な料理はfish & chipsだよね、とよく日本人に言われますが、これも間違っていますよ。イギリスの代表料理は間違いなく、ローストディナーです!
ローストディナーはよく日曜日の午後4時頃に食べます。クリスマス当日のローストディナーは同じく、午後に食べますが、日曜のローストより少し派手で豪華です。
例えば、クリスマスディナーを食べる前に、まずは一緒にクラッカーを引っ張ります。引っ張ると、バーン!と音がして、クラッカーの中から紙の王冠、小さなおもちゃ、とクリスマステーマのジョークが書いてある紙が落ちてきます。皆は紙の王冠を頭に被り、ジョークを読み上げてから食事します。
クリスマスのローストディナー
- ローストチキンやローストビーフやローストラム等
- ローストポテトとローストパースニップや他のロースト野菜等
- ヨークシャープディング、詰め物、グレービーやクランベリーソース等
- デザート系
- クリスマスプディング(酒入のフルーツケーキ)、ユールログケーキ(チョコ)、トライフル、パネットーネ(祖父がイタリア人なので、必ず毎年これがあります)等
おつまみ
- ナッツ(ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、くるみ等)
- ミンチパイ→子どもの頃は嫌いでしたが、大人になってからはおいしいと思うようになりました。
- チーズとクラッカーとブドウ
- Biscuits (クッキー)、チョコ、お菓子等
飲み物
- シャンパン
- ポート(ブランディ入りのワイン)
- マルド・ワイン
- カクテル
- ソフトドリンク:クランベリージュース、レモネード、ホットココア等
豆知識
クリスマスなどの特別な日には、子どもにお酒を一口飲ませる親もいます。また、15歳~17歳の子は親の監視下でお酒を飲むことが許されていますので、ビールやワインを飲んだりする人もいます。(※法律的に、イギリスでは5歳以上の子どもは家で親の監視下でお酒を飲むことができます。)
お食事の後
クリスマスディナーの後は、ゲームをしたり、話をしたり、お散歩したりします。折角皆で集まっていますので、一緒に過ごす時間を楽しみますね。
また、イギリスでは、クリスマス当日の午後3時に、エリザベス女王が毎年「クリスマス挨拶」 (The Queen’s Christmas Message)をしてくださっていました。今年からはチャールズ王が初めてのクリスマス挨拶(The King’s Christmas Messageになりますね)をしてくださいますので、今年は少し歴史的なクリスマスになります。
以上、クリスマス当日の過ごし方です。
ボクシング・デー (Boxing Day) 26日
Boxing Dayも正式な祝日となっています。様々な由来がありますが、一般的なのは、この日を使用人の休日にして、家族が使用人にプレゼントの入った箱(ボックス)をあげて、彼らが自分の家族とクリスマスを楽しめるように設けられた休日という説です。
ボクシング・デーに何をするかというと、大量に食べたクリスマスディナーとデザートなどを消化します。(笑)また、ブラック・フライデーみたいに、大きなセールがあります。(正式な祝日は週末に重なることが法律的に不可能となっているため、クリスマス当日が土・日になってしまった場合は、27日(月)がクリスマスの祝日で、28日(火)がボクシング・デーとなります。)
最後に、イギリス人にとってのクリスマスとは?
私にとって、クリスマスは家族との大切な時間です。10代のとき、24日を当時の彼氏と過ごしてみたのですが、すごく違和感があって、やはりクリスマスは家族だなと改めて感じました。「クリスマス」を考えると、家族とのたくさんの温かい思い出や笑いを思い浮かべたり、学校でのクリスマスの楽しみを感じたり、温かい家でゴロゴロしたり、おいしい料理をたくさん食べたり、そういった経験と気持ちに満たされます。
日本に来てからは、夫の家族とクリスマスを過ごすようになりました。偶然にお義父さんのお誕生日が24日なので、おいしい料理を食べて、映画を一緒に見たりしますが、やはりちょっと違うんだなと思ってしまいます。いつか、クリスマスにイギリスに帰って、家族と再びクリスマスを過ごせますように願っています。その時、夫を連れて、彼にもイギリスのクリスマスを紹介できればと思っています!
皆さんも、機会があれば、是非クリスマスシーズンにイギリスへお越しください!町などの雰囲気が素晴らしいので、絶対に楽しいと思います!