日本人と近い経験? 外国人の私が過ごした、日本の本格的なお正月体験談
皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます✨
前回イギリスでのクリスマスについての記事を執筆させていただきました山田です。その記事の中に、「基本的に、イギリスでのクリスマスとお正月は日本と真逆だと考えてもいい」と書きましたが、今回は日本のお正月はどう思うのか、そしてどう過ごしているのかについて書きたいと考えています。
私は今まで、お正月を日本で6回過ごしてきました。そのうち、5回は夫のご家族と過ごして、残りの1回は別の日本人のご家族と過ごしました。実は、日本では1人でまたは他の外国人とお正月を過ごしたことが一度もありません。そのため、日本人と近い経験をしている可能性がありますね!
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日本で本格的なお正月の経験
私の初めての日本のお正月は大変お世話になっていたご家族(お母さん、お父さん、と20代の息子さんと娘さん)と一緒に過ごしました。伝統的のお正月だったと思います。この時に、大掃除、神社での初詣、こたつ、お屠蘇とお節を経験できました。
まず、お正月の前はみんなで家の大掃除をしました。お兄さんは、「俺の部屋はいつもきれいだから俺はやらなくていいんだ」と妹と私をからかっていましたが、お母さんはそれを聞いてしまい、庭の掃除をお兄さんへ任せてあげました。笑
元旦の0時に、お姉さんとお母さんと近所のお稲荷神社へ初詣に参り、甘酒を飲んで、参拝して、雰囲気を楽しみました。それから家に帰りました。お姉さんは初日の出を見るため、友達と高尾山へ出掛けましたが、私はこたつで寝ました。(こたつは最高ですね。)
朝になったらお母さんがお節料理の準備で忙しくなって、私とお姉さんが少し手伝いをしました。例えば、洗い物をしたり、お皿にお料理を盛り付けたり、リビングの片づけとテーブルのお膳立てなどをしました。親戚が来ることになっていて、生まれたばかりの赤ちゃんからお母さんとお父さんの両親、兄弟姉妹等が集まりました。私を含めて、合計15人ほどだったと思います!
お屠蘇
皆さんが集まったら、先ずは写真撮影とお屠蘇でした。正直に言うと、お屠蘇の由来や意味はあまり分かりませんが、その日の経験から分かったことをお伝えできればと思います。お屠蘇は基本的に家族全員がお正月に飲む、特別なお酒です。漢字を見ますと、「蘇」は病をもたらす鬼の名で、「屠」は「屠る」という意味になります。お屠蘇を飲むと、悪鬼が屠られます、という意味だと思います。伝統的に家族で年齢が低い人から飲んでいくのだと思いますが、近所の方々が新年挨拶をするときも一緒に飲んだりすることがあるらしいです。
「お屠蘇」の話をしていますが、日本では、「お屠蘇」は実際にどれほど知られているのでしょう。
それを知るために、同僚、家族と友達に調査させていただきました。その調査の結果は以下になります。どうぞ、ご覧ください。
「知りません」と回答した12名は5名以外全員外国の方々でした。「聞いたことはあるが詳しくは知りません」と回答した4名のうち2名は日本人でした。「よく知っています・飲んだことがあります」の18名のうち、16名が日本人でした。そして「毎年飲みます」と回答した9名は流石に全員日本人でした。
いくつかの気づきを取り上げたいのですが、「知りません」と「聞いたことはあるが詳しくは知りません」の日本人(9名)は全員20代です。一方、「よく知っています・飲んだことがあります」と「毎年飲みます」の日本人の25名のうち、14名は30代以上であり、残りの11名のうちの9名は25歳以上です。その結果から、若い人にはあまり知られていないことが見て取れます。また、田舎に住んでいる方のほうが飲む機会が多いと思います。なぜなら、まず東京や都会の家は狭くて、あまり集まれないからです。また、最近だとコロナの影響によって、お屠蘇の習慣は続きにくいかも知りませんね。
お節料理
お兄さんが私の隣に座って、お節料理の食べ物の意味を説明してくれましたが、唯一彼が知っていたのは、「栗きんとん」で、「お金持ちになるようにという意味だから、俺に頂戴。」というようなことを言われました。笑。当然、お父さんと親戚に叱られて、お兄さんに代わって、私たち二人にお節料理の意味を説明してくれました。笑
正直に言うと、それぞれの食べ物の意味は全て思い出せませんが、黒豆は「健康・丈夫」、数の子は名前通り「たくさんの子ができるように」、蓮根は「将来を見通す」、紅白かまぼこは祝いの色で魔除け(紅)と清浄(白)の意味が込められている、金色の食べ物は基本的に金運とかかわるなど、一般的な意味は覚えています。イギリスでは、食べ物に意味が込められているものは少ないので、日本のお節料理は面白いと思います!お節料理だけではなく、年越し蕎麦もありますね。私は普段食べ物には関心がほとんどありませんがが、お節料理や年越しそばのような日本の食文化は面白いですね。
いつからその意味が込められるようになったのか、どうしてそうなったのか、中国や韓国には同じような食べ物や日本のような考えや意識があるのかなど、色々な疑問が浮んできますね。
最近のお正月
夫と付き合い始めてから、彼の友達と忘年会をして、彼の家族とお正月を過ごすようになりました。こちらも少し独特かもしれませんが、私の夫は家が大好きで出掛けるのを面倒くさがるタイプです。付き合い始めて1ヶ月が経ったら頃に、実家に連れられて彼の家族に紹介されました。そしてなんとなく毎週末、夏休み、冬休みも、お誕生日も、彼の家族と過ごしてきました。男の子3人の家族なので、お義母さんとお義父さんは女の子がいてくれることは嬉しかったのかもしれません(笑)。したがって、お正月ももちろん彼氏の家で過ごすことになりました。
日本とイギリスの忘年会
忘年会はいつも旅行型で、車でどこかへ行きます。スポーツ(ゴルフやテニス等、大人数やチームでできる活動)をして、部屋を借りて、そしてご飯をみんなで作って食べたり、飲んだり、ゲームをしたりします。「忘年会」や「新年会」はイギリスにはないと思いますが、やはり、みんなで集まるのは楽しいですね!
イギリスやアメリカでは、お正月を友達と一緒に過ごすのが普通ですが、日本の忘年会と違うような気がします。イギリスで友達とNew Year’s Partyをしたときは、友達の家に集まって、ディナーを食べたり、会話を楽しんだり、ワイン等を少し飲んだりします。そして0時に近づいたら、みんなでテレビの前に集まって、ロンドンでのカウントダウンを見ながら、10秒前からカウントダウンをします。最後に、“Happy New Year!”を叫び、カップルはキスをしたり、シャンパンを開けます。
お正月の過ごし方
まだ結婚する前、夫の家族と過ごした初めてのお正月は素敵でした。彼氏、ご両親、双子の弟(実際に私より1年上ですが夫が長男であるため、私の義理弟らしいです。)と私、6人でシャンパンを飲んで、麻雀をしました。(お義母さんはご飯を作っていて、お兄さんの一人が私と組んで麻雀してくれました。)元旦は、お寿司を食べて、お年玉をもらいました。(お兄さんに「お前、いくらもらった?あ、俺より少ないね ニコニコ」とまるで兄弟姉妹だったようにお年玉を比べて)、お兄さんと彼氏と3人でワンピースを布団で見て、そして買い物へ行きました。楽しくて、温かくて幸せに満ちたお正月でした!大切な思い出ばかりです。
それから、毎年のお正月は、夜が麻雀です。元旦は、お寿司とボードゲームと夫や弟が子供の頃によく見ていたアニメのベストシーンを見ることになっています。たまにゴルフ練習や買い物へ行きますが、家でゴロゴロしたりすることが好きなので、基本的にお家で過ごします。こちらのほうがイギリスのクリスマスに近いと思います!
この間お義母さんと話していたら、「年一度ぐらいは家族全員で集まってみたいよね」とお義母さんが言いました。実は、夫と弟たちは自分の母親と父親の兄弟姉妹の存在をしっかりと把握していないみたいですので、お正月を機会にして親戚全員で集まれたらいいなあと思いました。
お正月に対する感想
イギリスでのクリスマスと同じように、実際に日本に暮らして、その国の文化や言語を理解できないと経験できないことが多いと感じています。やはり、年賀状や初詣、元旦など、お正月の「楽しさ」は相手がいないとなかなか経験できないと思いました。
また、日本人は大体お正月に実家へ帰りますので、日本に家族がいない外国人にとって、少し寂しいかもしれないと思いました。イギリスでのクリスマスの場合は、「独りになってしまうのならうちにおいで」と言ってくれる人が多いと思いますが、少なくとも私の家族はそういう感じですが、一般的な日本のお正月の場合はそういうのは少ないかなと思います。(不思議なことに、夫の家族は私の家族と同じく、「おいで」と言ってくれるほうですがね。笑)
しかし、日本では、家族や大切な人たちと一緒にお正月が過ごせたら、なにより楽しくて嬉しいことはないかなと思います!