「調休」とは?中国の祝日・休日事情〜日本との比較
こんにちは、日本在留中の中国人のshokoです。
5月といえば、日本にはゴールデンウィーク、中国には「五一黄金周」という連休があります。日本と違っているのは中国では「振替休日」のほか、「調休」こと「振替出勤日」も存在していることです。特に近年では、「調休で無理やりにできた連休なんて欲しくない」と思っている中国人は少なくありません。
「調休」とは一体どのような制度なのか、中国の祝日・休日事情を紹介し、日本と比較してみたいと思います。
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「調休」とは?
調休とは、祝日につなげた土日の分を振替出勤日に設定し、なるべく長い連休を作り上げるために存在する制度です。実際にBaiduカレンダーを使い、見てみましょう。
例えば、2023年の春節連休は1月21日(土)~1月27日(金)の7日間です。そのうち、1月21日(除夕)、1月22日(春节/初一)、1月23日(初二)は元々の祝日です。21日と22日は土日とかぶったので、24日と25日は振替休日となります。さらに28日(土)と29日(日)を振替出勤日と設定し、その代わりに26日と27日も振替休日となりました。つまり、7連休の直後に7連勤ということです。(下左図)
また、2023年の労働節連休は4月29日(土)~5月3日(水)の5日間ですが、その代わり前の週の4月23日(土)と5月6日(土)は振替出勤日となり、休暇前が6連勤となっています。(下右図)
↑2023年1月と4月のBaiduカレンダー
(日にちの左上に記載する「休」=休み、「班」=振替出勤日)
この調休の制度に関して、国民からは「元々の休日は1日のみなのに、調休で連休になったのは良いが、その代わりに後で6連勤、7連勤になるのが本末転倒の気分です」のような声がネット上に少なくありません。実際、2012年の清明節は水曜日にあたりますが、前の週の土日(3/31〜4/1)を出勤日にし、7連勤の後に3連休(4/2(月)〜4/4(水))という形になりました。
↑2012年4月のBaiduカレンダー
ただ、近年では祝日が週の真ん中にある際、調休しないこともあります。例えば、今年の清明節も2023年4月5日(水)にあたりますが、調休はせずにその日のみ休日となっていました。
中国の祝日は旧暦にちなんだものが多いため、毎年のスケジュールが変わっています。通常、中国国務院が12月に翌年のスケジュールを発表しますので、その前に買った紙のカレンダーの祝日記載が間違っている可能性が非常に高いです。Baiduで「日历(カレンダー)」を入力したらすぐ一番上に出てきますので、そちらのほうをお勧めします。
中国人もこのようなオンラインカレンダーや記事、ニュースで放送されたスケジュールをもとに、紙のカレンダーに自分で書き込みをします。
中国の祝日
「元旦」
「元旦」は一年で最初のお休みです。法定休日は 1 日のみですが、調休をして(前後の週末の出勤状況を調整し)、通常は 3 日間の連休となります。春節(旧正月)ほど重要なお祝いではありませんが、元旦の前に「年会(忘年会)」を開く会社が多く、また12月31日にカウントダウンイベントなどが開催されます。
「春節(旧正月)」
春節の法定休日は3日間で、調休して大体 7~8連休となり、期間は「除夕(大晦日)〜初六(旧暦の正月6日)」までです。多くの会社は春節の連休前にボーナス(通常は年1回)を支給し、また大半の人はこの期間中に帰省をします。法定の休みは初六(旧暦の正月6日)までですが、工場や自営業の場合、元宵節(旧暦の正月15日)まで延長することも多いです。
さらに、春節連休はちょうど学生の約1ヶ月の冬休みのど真ん中にあたります。旧暦に従っている春節の日にちが毎年変わるため、学生の第一学期と第二学期の長さも毎年少し変わります。
↑春聯を書いている女の子
春節連休に入ると、中国の人は除夕(大晦日)の日に大掃除をし、春聯(チュン・リィェン)などの縁起物を飾りつけ、家族で年越しの食事をしてテレビのカウントダウン番組(春晩)を見るのが一般的です。私の祖父が書道家でもあるため、毎年祖父が専用の赤い紙を購入し、全家族分の春聯を書きます。
大晦日の深夜0時になると、地方だと爆竹や花火を打ち上げますが、北京や上海などの大都市では近年禁じられています。帰省している人が多いため、春節連休期間中の大都市は割と静かで、小さい店舗の大半が閉まっている状態になります。旅行に行く場合は、事前にそこのお店が開いているかどうかを調べておくのがおすすめです。
また、春節連休に入ると、周りの人は「今日は正月初二」と旧暦しか口にしないので、この期間だけ中国人が西暦が分からなくなるというのがおもしろい現象です。
「清明節」
毎年4月5日の頃にあり、法定休日は1日で、調休して大体 3連休となります。日本でいうお盆のような日で、多くの人がこの連休中に墓参りに行きます。風習として「青团(よもぎもち)」を食べます。
「労働節」
毎年5月1日にあり、法定休日は1日で、調休して大体 3~5連休となります。アメリカ・シカゴの労働者のゼネラルストライキに由来し、世界各国ではメーデー(MAY DAY)と呼ばれています。伝統の祝日ではないので特に風習がありませんが、旅行に出る人が多いです。
「端午節」
旧暦の5月5日にあたる祝日であり、法定休日は1日で、調休して大体 3連休となります。楚の時代の詩人「屈原」が入水自殺した日が由来で、風習としてちまきを食べ、赛龙舟(ドラゴンボートレース)を見ます。
↑赛龙舟(ドラゴンボートレース)
「中秋節」
旧暦の8月15日にあたります。法定休日は1日ですが、その後の国慶節と近いため、よく繋がって大型連休となります。風習として月見をし、「月餅(げっぺい)」という焼き菓子を食べるのが特徴です。
「国慶節」
10月1日は中華人民共和国の建国記念日です。法定休日は3日間で、調休して大体 7~8連休となります。この期間になると、街中に国旗が飾られています。特に風習はないですが、旅行に出る人が多いです。
以上が中国の法定休日です。このほか、3月8日の「三八妇女节(国際女性デー)」には女性が半休をもらうことが可能で、5月4日の「五四青年節」には14歳以上28歳以下の人が半休をもらえます。
中国人目線から日本の祝日を見る
日本の祝日は年に16日あり、中国(11日)より5日間多いというのは個人的にすごくありがたいです。また、振替出勤などの制度がなく分かりやすいですが、祝日が土曜日の場合は振替休日がないと知った時はびっくりしました。
また、日本は旧正月を祝わないと以前から知っていましたが、干支の変わり目も西暦1月1日だと知った時はびっくりしました。現代の中国では基本的に西暦の誕生日を祝いますが、干支だけは生まれた時の旧暦を参照して決められています。よって、1月生まれの人は日本と中国で違う干支になる可能性が高いです。
以上が中国の祝日・休日事情の紹介と日本との比較でした。中国に旅行に行きたい方やビジネスを展開したい方はぜひご参考ください。