〇✕✓日本の採点記号は海外の学校で通じない?
皆さんにとってお馴染みの採点記号「〇✕✓」の意味を疑ったことがありますか?中国出身の私が子供の頃に、『ドラえもん』のワンシーンで戸惑ったことがあります。それはのび太のテストペーパーに全部チェック「✓」が入っているにもかかわらず、点数が0点というシーンでした。中国では、手書きの採点記号として「✓」は正解、「✕」または「〇」は不正解という認識を持っている人がほとんどです。だから私と同じく、日本のアニメーションを見て「あれ?」と思う人が少なくありません。
手書きに限る採点記号も存在しているので、海外の学校に入らない限り、意外と気付かないですね。では、日本と海外の採点記号を一緒に見てみましょう!
Table of Contents
日本の採点記号「〇✕✓」の意味と由来
日本では、正解には「〇」、不正解には「✕」が基本で、半分正解の場合には「△」が与えられます。「〇」は円満の意味を持つため、日本人にとって感覚的に納得できます。一方、「✕」は「凶」の字に含まれ、「バツ」と呼ぶのは「罰点」によると考えられています。日本では採点の際に、「✕」の代わりにもっと書きやすい「チェックマーク(✓か/)」が使われることもあります。
次は、他の国の採点記号を比べて見てみましょう。
「正解」の記号
「✓」チェックマークはローマ帝国期に作られていたと考えられ、真実を意味する単語 veritas を縮め、”V”で肯定の返答、真実、または表中の項目への承認を示すようになりました。後に「✓」の形となったと言われています。アメリカは「✓」で正解を表します。
また、同じアジアにある中国を例にしますと、古代中国でも「✓(勾:こう)」が使われていたという説があります。判決文に皇帝が「勾決(こうけつ):処分する」する際、「榜示:ほうじ」(合格者の名前を掲示する)する際、帳簿の決算の際に使われました。また、中国には「一筆勾銷」という四字熟語があり、 「(一筆)で一切を帳消しにする」という意味を持っています。現代の中国では、正解の採点記号として「✓」が使われています。
一方、イギリスでは正しい解答に何のマークも付けず、または得点の数字だけを書く場合が多いです。解答が文章である場合、正しいところに「✓」(Correct statement)か「✓✓」(excellent statement)をつけ、最後にA++からUまでの評価を与えます。
「不正解」の記号
「✕(Cross,X mark)」は英語圏で否定の概念を示すために使用されており、クロス、クロスマーク、x、またはexとも呼ばれます。面白いのは、「✕」の省略形として、日本は「/」を使いますが、中国は反転の「\」を使います。
また、中国では「〇」で不正解を表す時もあります。一番使われているのが作文の中に誤字が出た際でしたが、なぜかたまに数学の採点にも使われます。定説はありませんが、おそらく「ここの回答が間違っている」と注意を促すために使われているのかもしれないです。「\」や「〇」はあくまでも先生の手書きの採点記号で、正式な文章やテキストにほぼ見かけません。
下図の中国の数学のテストの場合、「✓」のところは正解、「〇」「✕」のところは不正解となっています。これだと日本と真逆の意味になりますね。(注:不正解の時、「✕」、「〇」、「\」のどっちを使うかは、先生のクセと気分によります。)
中国の数学テストのイメージ
ユニークな「半分正解」
最後は一番面白い「半分正解」の表示です。半分正解は学校のテスト以外で見かけることはほぼないので、他国の状況を知っている人は少ないでしょう。中には、半分正解を使わない国もあります。日本では、正解でも不正解でもない場合に「△」を与えられます。この「△」図形そのものとしては「うろこ」などと呼ばれ、江戸時代の合い印や家紋などに見られます。
一方、中国ではチェックに一点を入れる記号「 」で半分正解を表します。確かに、正解の「✓」でもなく、不正解の「✕」でもない形ですね。時々、先生はすごく大きい「✓」を書いて、右上に小さな「\」を書く時があり、学生時代の私がその小さな「\」を見かけた際はすごくがっかりしました。「△」に関して、学生が間違った回答を訂正し、先生がそれを再びチェックする際に「△」というチェック済みのマークを与えることがあります。(正式な記号ではない)
中国の国語テスト
世界各国の採点記号を比べてみた
独自のリサーチで、世界各国の採点記号を比べてまとめました。面白い記号もたくさん入っていますね。
※赤い文字は正式ではないものを指す
※イギリスでは正しい解答に何のマークも付けず、または得点だけを書く場合が多い。不正解もバツの代わりに、マイナスの点数を書く場合がある。
採点記号は先生の手書きに依存する部分もあり、また中国でも現在機械に採点を任せるマークシートが普及しており、海外の状況を知る機会がないですね。今回の記事はいかがでしたか?外国の方との一つの話題になれば幸いです。