外国人は日本の謎解きを楽しめるのか?兜町謎解きを体験してみた
昨今、日中ともに謎解きゲームがブームとなっています。今回は中国人目線でQuizKnock主催のリアル謎解きゲームを体験し、日本と中国の謎解きゲームについて紹介したいと思います。
Table of Contents
日中で流行る謎解きゲームの違い
中国
2016年、ネットバラエティ番組『大侦探(Who’s the Murderer)』の放送が始まって以来、謎解き・脱出ゲーム・マーダーミステリーゲームが中国の若者の間に大ブームとなっています。、その後『密室大逃脫』、『名侦探学院』などのいわゆる推理系番組が次々と放送されました。『密室大逃脫』では、大規模なセット、迫真な演技を持つNPC(ノンプレイヤーキャラクター)、複雑なストーリ、芸能人であるプレイヤーの見事な推理や驚いた様子などが醍醐味となっています。
番組の人気とともに、リアル脱出ゲームのお店も次々とオープンしました。現在はコロナで営業が制限されていますが、コロナ前まではかなり若者の間で人気でした。番組の影響で中国のリアル謎解きゲームでは、恐怖・ホラー系のものが多いです。謎解きは好きですが、ホラーは苦手な私にとって少し行きづらいところはあります。
日本
日本では、かなり前からクイズ番組というカテゴリーが定番となっていました。外国人の私でも『東大王』、『今夜はナゾトレ』、『ネプリーグ』などのクイズ番組を知っています。日本の歴史・地理に関する問題は難しく、私にとって「勉強になる」という感想しかないのですが、謎解きに関しては、外国人でも楽しめるような問題があり、とても面白いです。
日本でも現在リアル謎解きゲームが流行っており、中国よりホラー系が少なく、観光しながら謎を解くイベントが多いというイメージがあります。
以前から街で歩きながら謎を解くイベントに興味がありましたので、今回はQuizKnock主催の「兜町謎解き」を体験してきました。
「兜町謎解き」の流れ
(※謎に関するネタバレなし)
1. 謎解きキットを購入
「CAFE SALVADOR BUSINESS SALON」の店頭で謎解きキットを購入。
お店のドリンクを飲みながら封筒を開き、最初の謎を解きます。
公式サイトで幾つかの段階に分けられる「ヒント」を見ることができます。つまり、一つ目のヒントで分かったら、残りは自力で解答できるような親切な仕組みです。最初の五つの問題の中、4つは漢字の構成や簡単な日本語の読み方に関する問題でしたので、私は自力で4問を解き、残りの1問はヒントを見て解けました。
2. 兜町を歩きながら、指定された場所に行って謎を解く
次に、専用の地図を手に持ち、最初の指定場所に行きました。
外国人の私にとって、日本の道路名の案内が分かりにくく、日本に来てからずっとGoogleマップに頼っており、地図を使ったことはありませんでした。最初の場所に行く途中で少し迷子になりましたが、後半で地図の見方を完全にマスターしました。
次の段階は、地図ではなく、言葉の指示(例えば「左に曲がり、直進。〜が、見える」)を元に指定の場所に行きました。こちらの段階では少し特殊な指示もあり、日本語の意味を誤解し、行き過ぎたこともありました。
3. 最後の答えをサイトに入力
街にある手がかりを全て手に入れ、最後のステップに入ったところで、暗くなってきましたので、一旦帰宅しました。帰宅してから、あまり理解していなかった問題をもう一度見返し、全て理解した上で、最後の謎を自力で解くことができました。答えをサイトに入力したら、「正解」でした。
(スポット:坂本町公園)
日本語を使える外国人は日本の謎解きを楽しめるのか?
答えは「Yes」です。日本の謎解きのルールをある程度把握し、日本語の読み書きもでき、ヒントを適宜見れば、外国人でも楽しめます。結果、新鮮な目線で日本の街を巡ることができ、日本語に関する知識も得ました。
中国人の私にとって、解きやすいのは漢字に関する問題です。漢字の部首を使う問題や、漢字クロスワードなど、中国語のままで解ける問題も意外とあります。
一方、外国人にとって解きにくいのは日本のことわざを使う謎、五十音図を使う謎(五十音はもちろん習いましたが、順番を覚えていないです)、あまり日常で使われていない日本語の言い方に関する謎です。
(スポット:坂本町公園)
今回、兜街謎解きを体験した日は、参加者も多くもなく少なくもなく、10月の土曜日で天気は良く、とても気持ちよかったです。参加者の年齢幅は広く、若者のカップルから子連れの家族、中高年夫婦まで、様々な人が真剣に謎に向かっている様子を見て、穏やかな気持ちになりました。
遠くから今回のイベントの袋を持っている参加者を見かけ、いい意味で行くべきところをネタバレされた時もあれば、私が指定場所に立っているため、他の参加者にネタバレした時もありました。しかし、こういう時はネタバレされたというより、「仲間発見!」みたいな気持の方が強かったです。
中国の友達に今回の謎解きイベントを紹介してみたら、「面白そう!参加してみたい」などの返事をもらいました。外国人観光者も参加できるような観光系謎解きイベントがあったら、きっと人気が出ると思います。
今回の謎解きイベント情報
兜町謎解き
開催期間:2022年7月1日〜 2022年11月6日、11:00〜19:00
キット販売価格:税込2,000円
公式サイト