三重県で出会った台湾、小さな出来事でインスピレーションを得た旅
日本に住んで6年以上経ちましたが、今まで三重県に訪れる機会がありませんでした。今は焼き物の町多治見市に滞在しているので、三重へのアクセスが便利になりました。今回は、三重県旅行で実感したこと、インスピレーションを与えてくれた出来事を、台湾人目線を含めて書きます。
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伊勢市にたどり着くまで
三重への電車に乗る時に急に思い出したことは、「三重」という地名は、台湾でも全く同じ漢字を使う地名・駅名があることです。少し不思議な気持ちになり、名古屋から近鉄線に乗り、電車の窓越しに外の風景を見ながら、通り過ぎた駅のホームも眺めていました。
近鉄線の桃園(ももぞの)駅を通りました。そうだ!台湾にも桃園という地域と駅があって、一番大きな国際空港は桃園(タオユエン)国際空港です。
日本に来て少しの間、日本の友人から台湾の空港をいう時に、いつも桃園(ももぞの)だと言われていました。その時は「ももぞのって何?」と思いましたが、いつの間にか日本にいる台湾人の私も、桃園は桃園(タオユエン)ではなく、桃園(ももぞの)と何も違和感なく使うようになりました。
ちなみにですが、台湾の台北松山空港は、松山(まつやま)ではなく松山(ソンシャン)ですね〜
伊勢市での一瞬を撮影
伊勢市についたら、まずは伊勢神宮の外宮に行ってみました。別宮の「土宮」は⽔害を防ぐために⼟地の神を祀っています。私は、うつわを作るために土を触る機会も増えているので、思わず「土」という言葉に反応して、写真を撮影したくなる瞬間です。
たまたま伊勢神宮の外宮参道で串焼きの店の前を通りました。松坂牛はすごく有名ですが、松坂豚の看板を初めて見つけました!三重県松阪市で育った赤身が美味しいブランド豚のようです。
しかし、台湾人の私にとって注目ポイントはこれだけではないです。実は、台湾で焼肉屋かしゃぶしゃぶ屋に行くと、ほとんどのメニューに「松坂豚(松阪豬)」があります。ここの「松坂豚」とは三重県の豚肉なのですか?
想像がつかないかもしれませんが、台湾で「松坂豚」という言葉は、豚の部位である「豚トロ」の意味で、良い肉の意味です!松坂牛とは関係ありません〜
日本でどこに旅行に行ってもご当地の牛乳・乳製品があるのが、よく考えたら不思議なことです。ただ、私は牛乳や乳製品が好きなので、見つけたら飲むしかないです。
海へ!南伊勢での思い出
今は内陸の多治見市に住んでいるので、すぐに海行ける地域への憧れが強くなっています。そして、台湾のような、海沿いの風景と波の音が恋しくてたまらないです。三重県の一番南にある南伊勢町に向かう中、綺麗な夕日を眺め、漁村風景に対する期待も高まります。
南伊勢の海は、リアス式海岸なので昔から漁業が盛んな地域です。南伊勢で滞在する間に、伊勢エビを食べるのはもちろん、早朝の水揚げの卸売市場にも行ってみました。
「タイワンガザミ」という台湾からの外来種のかにを知っていますか?たまたま出会った漁師さんが市場で青い甲羅を持つカニを紹介してくれました。青い甲羅を持つのは雄の方ですと言ってました。
台湾ではよくカニ料理を食べますが、タイワンガザミは全然見覚えがなかったです。
調べてみたら、台湾では「藍花蟹(ランファーシェ)」と呼ばれています。台湾近辺からの外来種だとしても、台湾本島では少なく、台湾海峡側の離島「澎湖諸島」の辺でよく見られるようです。そして、台湾では高価なカニの一種です。
そもそも台湾でレストランに行くと、雄のカニを食べるの機会は少ないので、青のカニは見覚えがなかったかもしれません。南伊勢町で大変勉強になりました。
魚をさばく時に…
また、南伊勢で鯛をさばく体験にも参加しました。体験の時に印象的な出来事は、「持ち帰り用の鯛をさばいて持って帰る、もしくは、そのまま一匹でも良いよ。どうする?」と聞かれた時に、台湾人の私は思考が止まって、すぐには答えられなかったことです。
その理由は、台湾では自ら魚をさばく概念がないからです。台湾では家で刺身を食べる習慣がなく、家庭で食べた魚料理はほどんと一匹でそのまま調理したものです。食べる時には骨や内臓を避けて食べるイメージです。
もちろん、サーモン、焼き白身魚の料理もありますが、それは市場などで買う時に、販売者がさばいてから重量をはかります。
他の人に聞いたら、「さばいた魚は刺身用だよ、さばかない魚は家で自分でさばいてね〜。」と教えてくれたので、やっと理解できました。ただ、日本に住んでも家で魚をさばく気はなかったので、さばいた魚を選びました。
三重での小さな出来事!
南伊勢の旅では魚を食べるだけではなく、良い感じのカフェ・食堂も探してみました。Google Mapで見つけた2022年オープンしたカフェは、三重への移住者が経営しているようです。少し興味を持っていたので訪れてみました。
ランチのメニューを開いたら、思わず微笑んでしまいました。まずは、「Cuapao」とは台湾でもよく食べる屋台料理の一つ、白い蒸しパンを肉とトッピングを挟んで食べる料理です。この辺までは何となく理解できました。
しかし、「毛沢東角煮」がここに記載されるのは違和感しかありませんね。そもそも、歴史上の人物を使った料理名は扱いに注意すべきだと思います。多言語コンテンツ制作、翻訳の中にも、言葉の知識だけではなく、歴史や文化を踏まえたものが翻訳の本質だと再び実感しました。
毛沢東角煮の正体です
南伊勢町のコンビニでは、冷凍庫は釣り用の餌だらけです〜
初めての三重旅で、とてものんびりと過ごして色々な思い出が残り、様々な出来事によってインスピレーションをもらいました。私にとって、旅は必ず思い出がいっぱいというわけではないのですが、10回の旅の中に1〜2回ぐらい印象的な思い出があれば、距離や日数など関係なく旅をすべきだと思います!