ベトナムと日本ぜんざいの違い
「日本のお菓子とベトナムのお菓子の違い」というのは日本に来て持った問いの一つです。最近まで明確な答えを持っていなかったのですが、その違いを説明する代表的なお菓子を見つけました。それはベトナムの銘菓「チェー」です。これは日本でいう「ぜんざい」になります。今回の記事では「チェー」を紹介し、ぜんざいと似ている点、違う点を説明したいと思います。
チェーをご存知ない方のために説明すると、砂糖のスープです。ベトナムで見られる最も基本的なチェーは、ぜんざいと同じように小豆がメインの材料になっています。しかし、ベトナム人は豆の他にココナッツミルクをトッピングとして追加したり、豆の代わりに地域の食材を使ったりもします。したがって、チェーとぜんざいの最大の違いは、地域的な違いであると考えます。
私の知る限り日本では、ぜんざい以外の甘いスープといえば「おしるこ」しかありません。両方とも、主な材料は小豆です。また、お正月や、肌寒い日に体を温めるために食べる習慣があります。おしるこは一般的に汁が多く、昔のおしるこは、今のまろやかな甘さのおしることは違い、塩辛いこともあったそうです。一方、ぜんざいは小豆を砂糖と一緒に煮たもので、豆の形はそのままに、汁気が少ないのが特徴です。また、焼き餅や白玉を入れるのが一般的です。
一方、ベトナムでは、チェーは一年中食べられるお菓子で、いつでもどこでも好きな時に食べることができます。お好みでホットでもアイスでもおいしくいただけます。地域によって個性的な特徴があります。北部の人々は、「コム」という宝物のような食材である緑米を使って、「チェコム」という人気のスイーツを作っています。緑米はスープにモチモチとした食感と心地よい香りを与えてくれます。毎年秋になると、緑米の上品な香りが漂います。
中部の特徴は、シンプルな食材を使うことです。しかし小豆を使わず、ヒヤシンス豆をベースに作り、名前も「チェ・ダウ・ヴァン」といいます。ヒヤシンス豆は小豆よりもっと大きいので、スープはぜんざいよりもずっともっちりとしています。塩味のココナッツミルクを加えて、チェをより味わい深くすることもあります。
最後に、南部では、豆と様々な種類の果物を主な材料としたチェが人気です。例えば、キャッサバを砂糖スープとココナッツミルクで蒸した「チェ・コアイ・ミー」などがあります。そのほか、夏にはチェ・ブオイというお菓子を作ります。これはインゲン豆とザボンの皮で作ったお菓子の一種です。ザボンの皮は、苦味を取り除くために1日以上お湯につけておきます。その後、サボンの皮はチェ・ブオイの主役となり、青豆ペーストのほのかな甘みに、カリカリとした歯ごたえのある食感を生み出してくれます。南部ベトナム人なら誰でも知っているお菓子かもしれません。
この違いの理由は、2つの土地の幾何学的な特徴にあるのではないかと思います。形状についてですが、ベトナムは熱帯地方にあります。果物や豆など、さまざまな食材に恵まれています。そのため、基本的な餡の他に、上記で説明したような地域ごとのアレンジがあるのです。また、雨季と晴天の2シーズンしかない地域がほとんどです。特に晴れた日には冷たいチェが人気です。そして、温かいチェは、どちらかというと肌寒い雨の日のご馳走という感じです。
つまり、日本のぜんざいは、シンプルな食材の良さを最大限に引き出しています。ベトナムのチェーは、複数の食材を組み合わせて独自の味を作り出すことに楽しめます。日本人には馴染みのあるシンプルなお菓子がベースになっているので、ベトナム文化に触れるなら、まずはチェーから始めてみてはいかがでしょうか。記事で紹介したチェ―は他の多くの種類のほんの一部です。ベトナムに行く機会があれば、ぜひお試してみてください。