江戸東京たてもの園へ、懐かしい時代のレトロ建物との出会い
東京都小金井市にある江戸東京たてもの園は、広々とした都立小金井公園の中にあり、かつて東京え取り壊される恐れがあった歴史的な建造物を園内移築して、復元と展示をしています。今回は、江戸東京たてもの園の中を探訪し、昔ながらの建築と昭和時代へのタイムスリップ感覚で町の雰囲気を体感します。
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江戸東京たてもの園について
江戸時代から、火事や地震などの災害で多くの貴重な建物が失われ、また現在も社会の発展と変化に伴い、東京でも文化的に価値が高い建築も失われつつあります。東京都が設立した江戸東京たてもの園は、元の場所に保存不可能となった建造物を移築して公園に展示し、誰も気軽に近くで鑑賞できるようになり、歴史・文化資源や建築美学を次世代に引き継ぐことを目的としています 。
園内でゆっくり散策
チケットを購入すると、入口広場の近くに塔が見えてきました。この建造物は元々は上野消防署の望楼であり、地域全体の防災状況を監視する役割を担っていました。
園内は西側、中央と東側に分かれており、東側には昭和時代の小売店や銭湯、居酒屋など下町の建物が主に展示されています。時間の余裕があれば、まずは建造物が密集している東側から散策を始めることをおすすめします。
東側エリアを歩くと、都電7500形の路面電車が見えてきました。この路面電車は主に渋谷駅から六本木、新橋などを通っていましたが、1963年に交通量の急激な要因などで廃止されました。現在は、都電荒川線のみがこの車体を再利用して、運行されています。
実際に車内に乗り込むと、昔の東京の人々の通勤や通学の生活を感じられます。木造の床にも重厚感があります。
美しき昭和時代の建築風情
そして、昭和時代の食料品店、花屋、文房具店の建物が並ぶ商店街「下町中通り」にやってきました。建物の外観は保存状態が良いだけでなく、内部も当時の家具や装飾を再現しています。
この荒物屋は丸二商店という名前で、元は神田神保町にあり、昭和時代の生活道具や日用品がたくさん展示されています。建物の裏側にある長屋や周辺の路地も再現され、隅々まで昔ながらの街風景を楽しめます。
丸二商店の隣にある「花市生花店」は、かつて神田淡路町にあり、看板と室内空間は昭和30年代の花屋の雰囲気を再現しています。
上の写真の左にある武居三省堂は明治初期に建立された文房具店で、外壁はタイル張りになっていて、レトロで立体感がある看板も一見の価値があります。
下町中通りの左側には、乾物屋、醤油屋、傘卸店などがあり、そびえ立つ建物は特徴的な看板と調和しており、昭和時代の商店街の雰囲気を存分に味わえます。
看板に鰹節と書かれた大和屋本店に入ってみました。元々は白金台にあった建物で、3階建てには乾物がたくさんあり、木造の建物の中にも戦前の乾物屋の様子を再現しています。
ちなみに、近くの路地に足を踏み入れれば、タイムスリップ感満載の写真が撮れます!
東京の銭湯を代表する子宝湯の建物へ
下町中通りの奥に位置するのは、東京の銭湯の原型とも言われる「子宝湯」の建物で、屋根の様式、玄関上の彫刻と天井までがかつて銭湯の定番のようです。
中は男湯と女湯に分かれており、当時の道具も揃っています。また、映画「千と千尋の神隠し」の油屋シーンの原型はここを参考にしたと言われています。
折上格天井も一見の価値があり、更衣室にある広告看板も非常にレトロです。
よく見ると、昭和時代の銭湯の入浴料金はたったの15円ですね!
天井の高いデザインとタイル壁の壁画も繊細で美しいです。不思議だと思ったのは、男性浴場と女性浴場用の壁画が異なることです。
男性浴場の壁は美しい富士山です。写真が撮れる浴場に来ることはめったにありませんので、そこに座って、かつての銭湯の人々の生活を想像してみてはいかがでしょうか。想像力を使って昭和時代にタイムスリップすることができます。
東側エリアの最後は、子宝湯の隣にある鍵屋です。この建物は、かつて台東区の下谷言問通りにあった居酒屋です。
店内は昭和後期の居酒屋に再現されており、調味料やボトルもリアルに見ることができ、壁には手書きメニューまで揃っています。
日本建築様式と西洋スタイルとの融合
東側の建物を訪ねた後、中央部を西側に渡り、最初に出会ったのは山手通りという道で、両側の建物は昭和時代の家屋がほとんどでした。
ドイツ建築家によって建てられたこの平家の洋館建物は、もともと新宿区信濃町の住居でしたが、たてもの園に移された後、園内で喫茶やお食事を提供するカフェ「武蔵野茶房」となっています。
装飾や家具も古典的な洋風仕様になっています。園内の散策の間にここで一息休憩をして、のんびりと時間を過ごせます。
同じエリアにある前川國男邸は、日本の近代建築の発展に貢献した建築家前川國男の住宅でした。当時この建物で使用されていた建材も入手困難のようです。
室内には書斎と寝室があり、高い居間が家全体の中心であり、天井の高い空間にいると落ち着くかもしれません。
また、西側エリアには、かつて個人写真を撮っていた「常盤台写真場」という昭和時代の建物があります。
2階のスペースは、以前の照明器具を残し、すりガラスを使用して自然光を取り入れています。館内スタッフさんも、皆さんのカメラか携帯電話を使って、セットの前で記念写真を撮ることを手伝ってくれます!
今回の最後は、西側の奥にある茅葺きの民家まで歩いてきました。ここでは江戸時代中期の茅葺き建物や農園風景がたくさん見られます。また、伝統工芸品の展示も行われますので、機会があれば、ぜひ懐かしい雰囲気を味わってみてください。
後記
新宿駅から電車とバスで一時間以内で到着できる「江戸東京たてもの園」は、台湾人旅行者のリピーターの中に隠れ人気スポット的な存在です。理由としては、近年台湾でもレトロブームとなり、伝統建築エリアの保存と改装プロジェクトも進んでおり、日本の昭和時代に残った建造物を近くに写真を撮れること、また風呂に入らなくても銭湯建築の中でリアル体感できるのが良いポイントとなっているようです。
今回のスポット情報
江戸東京たてもの園
住所:東京都小金井市桜町3-7-1
営業時間:4月から9月まで9:30〜17:30、10月から3月まで9:30〜16:30
アクセス:JR武蔵小金井駅北口より西武バス武12、武13、武15、武21を乗り、小金井公園西口で下車から徒歩5分。